人間関係でいわゆる「余計な一言が多い」にはどんなものがあるでしょう。
不用意に発せられる「たった一言」で対人関係にヒビが入ったり、そもそも関係を築けなかったり。
ひとこと余計なだけで嫌われるのってもったいないですもん。
今回は頭につける「だから」に隠された「言い負かしたい心理」について。
「だから」が持つ攻撃性・威圧感。そして恥
だから←これを頭につけられて話されると、なんか怖いですよね?
「だからー。何で分かんないの?」最凶です。
あなたも「だから」「ですから」でカチンと来たこと、ありませんか?
マクラのダカラはとても感じ悪い。
だからと言われた側が「イラッとする」心理
近年「イラッとする」という言い回しが世間で頻出しますよね。
スピード重視の世になってしまい、人間同士のアナログ会話がまどろっこしく感じがちになってしまう。
短気な世の中になったものですが、「イラッとする」は確かにあります。
「だからー」と言われてイラッとする→実は傷ついてる
「傷ついた」ことを「イラッとした」に無意識に変換して表現していることがあります。
深いところでは「傷ついた」なんです。
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イラッとするどころか、本当はカチンと来ている。
それをやんわり言ったのが「イラッとする」。
カチン→もっと言えば「傷ついた」なんです。 [/aside]
でも「今の傷ついた」なんて、大の大人が弱気でセンシティブなこと言えない。
そこで変に便利な言い方が「イラッとした」。
ライトに変換して、自分と同時に相手にもまだ気を使っているんです。
まだ「何?今のイラッとするなあ」軽口半分、真の訴え半分。
空気が悪くならないようにオブラートで保とうとしてるんですよね。
傷ついたなんて《弱い》こと言って、相手に優位に思われるのは嫌だ。
つけこまれたくないという気持ちもあります。
「だから」「だからぁ」を付けるのは「なんて物分り悪いの?」と言いたげ
だからーをいう側の気持ちとは何でしょう?
- 説明したいのに相手に理解してもらえない状況の時。
- 分かって欲しいのに、もどかしい時。
- 前にも言ったのに、また聞かれた時。
- 実はゆとりがない。
呆れたように「だからあ〜・・・」つい言ってしまう人っています。
ほぼ口癖の人すらいます。
これって「論理は無視したマウンティング」に他なりません。
「さっきも言ったけど」も同類の感じ悪さですね。けどの所がトドメです。
- 「だからあ、さっきも言ったけど、そうじゃなくってさー」
- 「だからあ!こないだも言ったんですけど」
【だから】の後には
「何でそんなことも分かんないの?」
「何回いわせんの?」
が含まれていますよね。
身近な相手(夫婦や親子など)で気を使わないから一気に「何でそんなことも分かんないの??」まで出てしまう・・という人もいるでしょう。
気を使う相手(上司やお客様など)に向かって「ですからあ!」「さっきも言いましたけど!」とはさすがに言わないはずです。
ということは「だからあ」は見下している相手に対して出てくる言葉。(もしくは表面的に同等なはずだが、深いところで言い負かしたい欲を持っている)
言われた側だって見下されている感を敏感に察知します。
大切な相手(身近な存在)にこそ、使ってはいけない言葉なのですが。
わからず屋はどちら?
だからあーを「言われている側」こそが実は大人で、話をすり合わせるために、確認のためにボールを投げ返している。
なのに、「何で一度で理解しないんだ」と頭ごなしに「だからあ」を発している側が、ウカツです。浅いです。
わからず屋は、だからーを発している側です。
自らの説明がそもそも下手、ツメが甘いのです。雑なのです。
それをさらに相手のせいにして、愚かさ露呈しっぱなしです。
言葉不足な自分に薄々は気づいていつつ、高いプライドが邪魔して、自分の問題ではなく相手の問題にしちゃってるんです。
不用意に「だからー」を投げつけてしまう前に、持つべき意識。
「自分たちは一緒に話のすり合わせをするんだ」という認識を持つべきです。
「だからー」を使ってしまう側が、ダメです。
浅いです。負けです。
相手はもっと思慮深く大人な接し方をしてくれています。
表面に言葉が出るかは別にして、相互に「イラつきあってる」危険な状態。
イライラ口調で「だからあ」という側。
それに内心「(カチン)」と来てる側。
もう、ケンカ勃発です。
表に出せるか出せないかだけです。
気を許してる身近な相手(夫婦・親子など)なら同じように言い返すこともできるからこそ、ケンカ勃発・・となりますが。
最大に気を使う上司、社会人として気を使う同僚など「同等から上に対して」は対抗することもできず、かといって苛つく(傷つく)ので、「内心で嫌う」ことになるわけです。
夫婦・親子だってそうです。
言い返してケンカにもならない方が、さらに事態は水面下で悪化している可能性大。
「妻が突然キレた」「部下が突然辞表を出した」←ぜんぜん突然じゃなかった事例も世の中にたくさんあるんでしょうなあ。
「だからあ」で言い負かすことが癖になっている人はこそっと距離を置かれてる
「気づいたら周りから距離を置かれている人」は、マクラの「だから」のせいかも知れません。
《上司なんて嫌われるの覚悟じゃないとやっていけない》?
《夫婦なんだから思ったことは言う》?
《親が子に厳しいのは当たり前。遠慮してどうする》?
ムダな不用意なぞんざいな無意識な言動ひとつで関係を悪くして、円滑に業務や家庭運営が進むでしょうか?
もちろん厳しいことを言わなければならない場面はあります。
そういう時は「自覚をもって」厳しいことを丁寧な対話の上で話す。
「嫌われることも辞さないで部下を指導すべき大切な場面」
「子供に生き方を学んでもらう時」にこそ、嫌われる覚悟を潔く使いましょう。
メリハリなくダラダラと《静かに、ただ確実に。自覚症状もなく人間関係を損なう》のは、もったいないだけです。
改善案①「なので」「よって」に置き換える。
私の会社で聞いた言葉をご紹介しましょう。
営業マンがお客様との話がもつれて、何10分も電話で噛みあわなさと苦闘していました。
でも「ですからあ!」とは言えない。
一段階やわらかい「なので」も言えない。
彼がひねり出した言葉は、さらに下がって
「ですので、ですね・・・」
あくまで下からやんわりと言い返していました。
「だからあ」と言いたいところを丁寧化した「ですので!ですね・・」
丁寧語+助詞+丁寧語。
ですます調に彩られた「だからあ!」。
新語誕生です。(まあ変ですよ。)
ですのでですねまでは言いませんが、「よって」。最悪でも、後のほうで「なので」はまだ柔らかいでしょうね。(マクラの「なので」は危険です)
改善案②「うん。」とりあえず一回うなづいてみる
だからあ!と言いたくなる側にも事情があるでしょう。
本当に何度も、誰が見ても同じことを聞いてくる部下が、もしいたら。(子供はまた別の話です)。
上司だっていつまでも説明するのは無理です。忙しいので。
でも、たった一言の口癖をチェンジするだけでいい。
「だから」を「うん。」に換えてみましょう。
引き受けてみましょう、一度。
一回、飲み込みましょう。
口を開けば「だからあ」が出てしまう重症なら、何も言わず「うん。うん」と首を下に下げて一呼吸おく。
「短気で怖い。近づきたくない」イメージは和らぎます。
小さなヒビを放置して割れてしまわないように
部下が「仕事に行きたくないなあ」と思う時、頭に浮かぶのが貴方の顔じゃありませんように、願っています。
叱ってくれるべき時にちゃんと叱ってくれる。ただの機嫌の悪いだけのオッサンじゃない。そう思われてこそ、上司としての信頼ができるんです。
慢性的にむやみやたらと傷つけてくる、ムダにエラそうなだけの人望のないオッサンとならないよう、祈っております。
[voice icon=”https://56emon-cafe.com/wp-content/uploads/2018/08/56emon1.jpg” name=”ころえもん” type=”l”]退職、離婚されちゃっても困らない!ということなら、お気になさらず。[/voice]
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