ルポ「まる子世代」 変化する社会と女性の生き方
阿古真理 著
集英社新書
発売日: 2004/2/1
要約・エッセンス・感想です。
「まる子世代」とは
この本でいうまる子世代とは、さくらももこの漫画「ちびまる子ちゃん」の主人公の世代。
1964〜69年に生まれた女性たちを指している。
その世代の女性37人にインタビューした章も。
親からは生き方をあれこれ規定された
帯のコピー“父はプロジェクト X 世代。母は専業主婦。”
まる子世代の両親は戦後の核家族第1世代。
大量の若者が農業村から都市に移動してサラリーマンになった。
夫は会社に、妻は家庭内に縛り付けられた。
経済成長と引き換えに母子密着型の家庭が生まれ、まる子達が育った。
圧倒的人気を誇った新御三家の一人、国民的スターの西城秀樹さん(ヒデキ)に、お熱を上げていた世代ですね。
バブルが終わる頃に就職
バブル終末期に入社で人材としてあまり大切にされない。
経費もケチり始めた頃に20代を送ったということかー。少し上の世代がふんだんに使っていたのが、陰り始めたころなんだね。
男女雇用機会均等法(笑)の第一世代
結婚すれば仕事と育児の両立が大変。
男女平等、機会均等と言いながら、現実はちっともそうではく、家事がドッとのしかかる。
(今のように夫が家事を分担してくれる世代ではないのですなー)
個性の尊重なんてただのお題目。
マーケティングの本ではない
まる子世代はどんなブランドが好きかとか 、なぜ子供のお受験に夢中になるのかとか、そんなマーケティング的な本ではない。
“まる子世代”を切り口にすると、日本の社会はどのように見えてくるかという内容。
著者自身もまる子世代。
30~54歳の就職・転職をサポートしています
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感想
今、事態は変わったんだろうか?
まる子世代の若い頃は苦しかった、らしい。
それは今、10代20代〜の若い世代では解消されているんだろうか?
まあ、ジワジワ変わりつつはあるだろうけど。
ジワジワのスピートは目に見えないくらい遅いんだろうな。
いまだに古風というか、親の考え方を無意識に受け継いじゃう人はいるから、30年後に「ジュニア」が親をトレースしたような言動を取ることもある。
私ころえもんは、それを「世代特徴のぶり返し」と呼びたい。それがどの時代になっても日本の根本があまり変わらなくて、固定概念やステレオタイプにがんじがらめになってって相変わらず苦しい要因なんだろうけど。
「◯◯世代」と好きに命名すれば、キャッチーなので、付けたもん勝ちみたいなところあるよね。
知名度の高い漫画「ちびまる子ちゃん」を冠すればキャッチーさに拍車がかかると期待したのかも知れないけど。定着していないなあ。
どうしてもちびまる子ちゃんのカオが脳内再生されるけど、この本の中では厳しさが描かれるのでそのそぐわなさが、気になってしまう。
まあ後半はそれも慣れたけど^^
◯◯世代の成立しなさ
世代論ってその世代の本人は自意識過剰気味に自覚してるけど、他の世代にはあまり認識されてなかったりしません?
よっぽど知名度ある世代は別だけど。
なんといっても「団塊世代(およびそのジュニア世代)」と「ゆとり世代」の、マーケティング界隈を飛び出すほど一般的に普及した知名度・定着度の高さに比べりゃあ、ね。
ステレオタイプ化できるほど、その層にボリュームがない。
「X世代(ジェネレーションX)」なんてのもあったけど。通じないよね?
でも、なんだか気になって◯◯世代論は読んでしまう。
ある程度、まずは枠にはめて仮説を立てることで、検証しやすいんだろうな。
その枠からはみ出す部分をまた仔細に見るほうが効率的なのだろう。
手法に長所短所はあれど、思考するときの仮説程度に用いるのなら意味はあるだろう。
世代論はコチラにも^^
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